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PICK UP : 2011 年

2011
 

2011年11月15日掲載

第17回京都教育懇話会 -グローバル人材の条件-中国人留学生・研修生の最新事情に見る-を開催

 10月26日(水)、朱雀キャンパスにて、第17回京都教育懇話会を開催した。「グローバル人材の条件」とテーマを銘打った今回は、急速な経済発展を遂げる中国、その中国を担う原動力となっている中国人留学生・研修生の最新事情を見ることによって、これからの日本に求められる人材とはなにかを議論する場となった。 

 第一部では、三名の講師による問題提起を行った。株式会社世代継承活学社代表取締役の蔡龍日氏は、「根本的な政策転換がない限り、中国の経済成長は続く」と述べ、短い期間で急速な発展を遂げている中国と日本の市場をデータで比較し、「日本の企業は、日本人と中国人の職業観の違いを理解し、『差別』ではなく『区別』することが大切である。」と、お互いの文化を認め合う姿勢が求められると述べ、昔から異文化を吸収することに長けている京都から、グローバルな人材を育てることに期待を寄せた。

 続いて、産業界の立場から、京都府中小企業団体中央会副会長・株式会社オーランド代表取締役会長の安藤源行氏が、将来の日本産業の在り方について述べた。
安藤氏は、日本型の「ものづくり」産業の構造が崩れ始めている現状に警鐘を鳴らし、若年層のものづくり離れを早急に解決し、日本企業のアイデンティティを持ちながら、諸外国との融和を実現させるための「外向性」を日本人が持つべきだと語った。

 そして、求められるグローバル人材について、大学教育の現場から、立命館アジア太平洋大学事務局次長(入学部担当)の村上健氏が、提言を行った。正規の学生として4年間学ぶ「国際学生」の数が日本で一番多いAPUでは、「多様な教師と多様な学生から刺激を受けることによって、切磋琢磨学びあう姿勢が生まれる。」と、常に国際的な視点を持つことができる環境づくりの必要性を説いた。

 第二部では、同志社大学商学研究科修士二年生の羅春愛氏と、京都大学人間・環境学修士二年生の喬彬氏(京都地域中国人留学生学友会会長)をパネリストとして加え、パネル討議を行った。パネリストたちが共通して語ったのは「日本人の内向きさ」について。
ものづくりの現場を肌で感じたいと留学した羅氏は、授業中に質問をしない日本人学生の印象を語り、喬氏は「中国では勉強しないと生き残ることができない。競争意識の差を強く感じる」と日本と中国の学生の違いを述べた。これを踏まえて、村上氏は「グローバル化するためには、積極的にならなければならない。そして、真のグローバル化とは、地球規模で物事を見ることのできる視野の広さを身につけることだ」とした。安藤氏が「小さい頃から、色々なものに触れられる選択肢を大人が提供しなければならない」と、教育の改革を訴えた。また、会場に詰めかけた学生や市民からも、多くの質問が寄せられた。

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