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2011
 

2011年08月25日掲載

第16回京都教育懇話会「地震列島 日本の未来-今、求められる防災教育-」を開催

 8月9日(火)、立命館大学朱雀キャンパスにて、第16回京都教育懇話会を開催した。
 第15回に引き続き、今回も3月11日に発生した東日本大震災を受けての議題となり、求められる防災教育、そして、震災に対して動ける「人づくり」を議論する場となった。

 はじめに、財団法人・国際高等研究所所長、京都大学前総長、人づくり21世紀委員会代表の尾池和夫氏が問題提起を行った。
 「正しい知識を持つことが一番に大切なこと」と語る尾池氏は、震度とマグニチュードの違い、また日本列島のみならず世界で起こった過去の地震のデータを提示することによって、地震に関する聴衆との共通認識を深めた。そして、今求められている私たちの姿勢について、「江戸時代を見習うべき。エネルギーを節約し、エコで防災にも優れた環境を整えなければならない。龍安寺のつくばいに刻まれる『吾唯足知」』の思想と、『地球社会の調和ある共存』の理念を持ち、最後まであきらめない気持ちが震災に打ち克つための一歩となるのではないか」と語った。また、学生に期待することとして、「学生は自分の専門とする学問を深め、それを地震と結び付けて発信する必要がある。」と、学生だからこそできる貢献の方法を示した。

 続いて、尾池氏による統計データから予測される地震の話を受けて、門川大作京都市長が「防災」の観点から講演を行った。
 門川京都市長は、阪神・淡路大震災を経験した京都市について、東日本大震災でとった支援態勢を例に挙げ、「スピード、パワー、ハートの3つが必要。あらゆる災害のときでも、一般人が臨機応変に行動できなければならない。防災訓練と同時に、災害支援訓練を推し進めることが、人々の命が救われることに繋がる。京都市には約10万戸の空き家がある。避難者を受け入れる態勢を充実させるには、市民の協力が不可欠。コミュニティの活性化を図り、助け合いながら、自分で判断できる子どもをまち全体で育てていかなくてはならない。」と訴えた。また、今回の震災で浮き彫りになった支援態勢の課題にも言及し、「『自己完結型』が最も大切なこと。被災地の方の力を借りず、寝食から一切のことを自分が責任を持って行わなければならない。」と、支援者としての心構えを示した。
 
 講演に続いて、同志社大学政策学部教授の谷口知弘氏をコーディネーターとして迎え、参加型ワークショップ「ワールド・カフェ」を実施した。ワールド・カフェとは、「カフェ」のようにくつろいだ空間で、参加者が自由に会話をし、アイデアや知識を出し合うことによって理解を深め合う場である。各テーブルでは、年齢や国籍を問わず、地震に対する自分の意見をおもいおもいに語る様子があり、社会人と接する機会が少ない高校生も積極的に発言をし、白熱した議論が繰り広げられた。
司会を務めた高校生は「地域のつながりを感じた。今日学んだことを、これからの生活に活かしていきたい」と語り、懇話会を締めくくった。

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