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PICK UP : 2010 年

 

2010年11月15日掲載

独自の文化が世界を刺激する 「世界を変えた日本のマンガ・アニメ文化」フォーラム開催

 10月29日(金)、京都国際マンガミュージアムにて、「世界を変えた日本のマンガ・アニメ文化」フォーラムを開催した。
 このフォーラムは、近年の日本のマンガ・アニメ文化への人気の高まりを受け、これからのマンガ・アニメの発展について、また京都が誇るコンテンツの更なる発信力の強化や、それに伴う諸問題について考えることを目的とし、関西プレスクラブ、京都国際マンガミュージアム、そして京都教育懇話会の三者共同で開催されたものである。
 
 まず、京都市長の門川大作氏、熊坂隆光氏(関西プレスクラブ理事長)の両者による開会の挨拶の後、漫画家である里中満智子氏による基調講演へと移った。

 基調講演では里中氏が『世界を変えた日本のマンガ』をテーマに約30分間の講演が行った。
 里中氏は、本題に入る前に、まず万葉集を例にとり、「日本人は中国から伝わってきた漢字で、やまと言葉を表現しようと試みてきた。日本人には受け入れたものを消化し発展させていく力がある。昔から今に至るまで、マンガに限らずあらゆるものを発展させていった背景には、日本の風土や、日本人の性格が大きく関わっている」と述べた。
 その後、「なぜ日本のアニメが特別扱いされているのか」について里中氏は持論を展開、「海外では今でもアメコミに代表される『必ず正義が勝つ』といった一面的な作品が多い。しかし、日本人にはそこにオリジナリティを持たせたいと思う欲が出てくる。そのチャレンジ精神がマンガの常識を打ち破り、今までにない新たな作品の誕生を可能にしたのではないか。意識的に世界を変えようとしたわけではなく、結果的に独自の文化が世界に刺激を与えることになった」と語った。

 基調講演に続く討論会では『マンガ・アニメの未来と可能性』をテーマに、パネリストに養老孟司氏(京都国際マンガミュージアム館長・東京大学名誉教授)、門川氏、里中氏、コーディネーターとして寺脇研氏(京都造形芸術大学教授)を迎えて、議論が交わされた。

 まず、門川氏が、里中氏の講演を受けて、「京都は伝統産業から先端産業まで盛んであり、お茶、花、料理に至るまですべてにストーリーがある。物語作りとものづくりと人づくりが一体となって街が形成されている」と日本の特性を顕著に表している京都の強みをアピールした。
 話題は多岐に渡り、中でも「日本人の寛容性について」が議論の中心となり、里中氏は「宗教的な制約も少なく、性についても比較的自由。日本人の寛容な精神が多様な作品を生み出すことに繋がっているのではないか」と意見を述べ、それに対して養老氏は「寛容にも枠が必要であり、マンガという枠のなかでいかに表現するかが大事である。日本人はその『型』をうまく作れている。そしてこれから出版物全体に求められるのは、現代人を惹きつけるようなパッケージ性だ」と語った。

 討論終了後の質疑応答では、「日本はもっとマンガ文化を積極的にアピールすべきではないか?」という質問に対して、里中氏は「文化として認められればいいわけではない。ただし、自国の文化としての発信力はやはり必要となってくる。私たちはそのためにも、人材育成のために作品を発表する場を提供し、国に協力を仰いでいかなくてはならない」と力強く語った。
 
 当日は多くの学生を含む約180名の参加者が会場に詰めかけ、会場は満席となった。フォーラム終了後は会場を移して交流会が行われ、社会人と学生の垣根を越えて様々な議論を展開し、親睦を深めていた。

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