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2010 |
2010年08月27日掲載
人の気を知れ。人の身になれ。 第11回京都教育懇話会「落語の魅力」開催
8月3日(火)、朱雀キャンパスにおいて、京都教育懇話会を開催した。
第11回目の開催となる今回の懇話会は、落語家の桂坊枝氏を講師に迎え、「落語の魅力―話術のプロに学ぶオモロイ話―」をテーマに、コミュニケーション能力の低下が叫ばれている現代の若者について考える場となった。
第1部は、京都市長の門川大作氏による開会挨拶の後、桂氏による落語と講演を行った。落語「火焔太鼓」は迫力満点で、その声色や表情に参加者一同は圧倒された。生の落語を聴くというまたとない機会であり、“ことばの魅力”を肌で感じることが出来た。
その後の講演で桂氏は、「今の若者に言いたいのは、『ならずして後悔するより、なってから後悔しろ』ということ。どこにいても、どんな仕事をしても、嫌なことから逃げてはいけない。辛いことは嬉しいことを増幅させるための一種の薬である」と熱く語った。
第2部は、桂氏に加え、門川氏、京都教育懇話会学生部会の上野敬峰さん(京都大学3回生)の3名でパネルディスカッションを行った。テーマは「今、社会から求められている若者像」。門川氏は「社会はコミュニケーション能力を求めている。その力を身につけるには、自分も他人も社会も良い状態になるように努めることが必要。また、コミュニケーション能力を必要とする場に置き、嫌なことにも果敢に挑戦することで自分を言葉で伝え、相手を言葉で感じとる。そうしてコミュニケーション能力を養われる。決して自己中心的になってはいけない」と熱く語った。
一方で、桂氏は「自分の駄目なところを苦にせず、良いところを素直に延ばすことの出来る人が必要とされているのではないか」と言及した上で「『人の気を知れ。人の身になれ』。そうすることで、色々な人の気持ちがわかるようになる。コミュニケーション能力はこれに尽きる」と述べた。
最後に、上野さんは「魅力的なことをし、夢を語る人があふれる社会にしたい。同年代同士で意見をぶつけながら、そのような社会を作っていきたい」と若者が求める社会像について述べた。
詰め掛けた多くの来場者から質問や意見が投げかけられたことで、議論はより深いものとなり、会は盛況のうちに幕を閉じた。
