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2010年3月9日掲載

シネマで学ぶ「人間と社会の現在」~「チョコラ!」上映~

 2月27日(土)、朱雀キャンパスにおいて、公開講座『シネマで学ぶ「人間と社会の現在」シリーズ4』を開催した。

 この講座は、本学の人間科学研究所・生存学研究センターが主催しているものである。今回は前回に続きシリーズ4「生きがたさのなかでー子どもと希望―」の第2回目。テーマは、ままならない生の現場からの「子どもに見出される希望」と「子どもが生きるための希望」。ストリートで生き抜く子どもたちを通して、「障老病異」と共に暮らす世界の現実を記述し、その新たな形を構想する「生存学」の視点から、現代社会の不安と希望を読み解いていく。今回の作品は、小林茂監督の『チョコラ!』。映画を利用した「シネマエデュケーション」の試みの1つとして、人間と社会にとってのアートの創造性、触感性、破壊性を考えていくことを目的としている。

 映画は、ケニア共和国の地方都市ティカのストリートで暮らす子どもたちに寄り添うような目線で撮影されている。ストリートの子どもたちはスワヒリ語で「拾う」を意味する「チョコラ」と呼ばれ、鉄くずやプラスチックを拾い集めて生計をたて、夜の厳しい寒さや空腹を忘れるためにタバコやシンナーを吸う。そんな中でも仲間と助け合いながら、明るく生きていく子どもたちの生き様が映し出されている。キーワードは「生命力」「思春期」。

 対談は、小林茂監督と林達雄・立命館大学特別招聘教授により行われた。林教授は「日本のメディアが報道するような悲しいアフリカではなく、アフリカの底抜けの明るさが垣間見られた。この映画は、私たちが知らないアフリカの一面をみるための窓のような存在である」と述べた。
また小林監督は「ストリートで暮らす子どもたちの抱える思春期特有の生きがたさは、世界共通である。たとえどんなに生きがたい状況でも、笑顔を忘れず、ピュアに『今』を楽しみ、今日1日を本気で生きるアフリカの人々の、シンプルだけど逞しい生き様を感じとってほしい」と述べ、「様々な物事を自分の中に一度通し、共有する視点をもつことで、自分自身が変わるために必要な単純なことに気づくことができる。これが芸術の醍醐味でもある。この映画を自分の中に一度通してみて、自分のアフリカに対する既成概念と向き合ってほしい」と締めくくった。

 また対談中、小林監督から、子どもたちが吸っていたシンナーのボトルと、彼らにもらった楽器が会場にまわされ、参加者は実際に触ってみることができた。参加者からは「アフリカといえばもっと『怖い』『貧しい』『かわいそう』というイメージがあったが、みんなとても明るく楽しそうに暮らしており、意外だった。このように自分の知らない世界の生活を見られたのは良かった」という声があった。参加者は老若男女幅広く、93名が集った。みな熱心にメモをとるなどして対談に耳を傾けていた。


 次回のシネマで学ぶ「人間と社会の現在」は2010年3月13日(土)13時から、朱雀キャンパスで行われる。映画『海とお月さまたち』を取り上げ、土本基子氏(映画同人シネ・アソシエ責任者)と栗原彬教授(立命館大学特別招聘教授)との対談を実施する。

公開講座「シネマで学ぶ」詳しくはこちら

シリーズ4のチラシはこちら

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