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2008 |
2008年12月17日掲載
京都21世紀教育創造フォーラム2008を開催
12月1日(月)、立命館小学校を会場に、「京都21世紀教育創造フォーラム2008」を開催した。京都市の学校、企業関係者、全国からの市民、学生等約800名が集い、「日本の未来と人づくり 子どもたちに企業と大学が今できること」をテーマに講演やパネルディスカッションが行われた。行政や企業、大学でつくる京都21世紀教育創造フォーラム実行委員会が企画し、今回が2回目の開催となる。
冒頭、堀場製作所代表取締役兼社長・堀場厚氏が挨拶を行った後、トヨタ自動車株式会社 取締役会長・張富士夫氏が基調講演を行い、「物づくりは人づくり」という指針を元に「人材教育においては教育と訓練を繰り返しセットで行い、そこから自分で見て考えさせる事で創業の精神をしっかり伝えるといった教育と訓練をセットにし実践していく事が重要だ」と述べた。また、張氏の人生において重要なターニングポイントとなった剣道の恩師とのエピソードも交え、出会いの大切さについても語った。
続くパネルディスカッションでは、堀場厚氏をコーディネーターに、張富士夫氏、京都市長・門川大作氏や、京都大学総長・松本紘氏、パナソニック株式会社 社会文化グループマネージャー・小川理子氏、立命館大学教授兼立命館小学校副校長 陰山英男氏をパネリストに迎え、現状認識や企業の役割、大学の使命や21世紀の人づくり像について、それぞれ意見を主張・提案し、議論を深めた。
そのなかで陰山氏は理科離れについて問題提起したのち、「この『学び離れ』は教育構造を再構築しなければよくならない。先生たちにはプロ意識を持ってもらいたい」と語り、小川氏は「答えや成果を数値だけで求めるのではなく、教科書から離れたクリエイティブ性を重視するべき」と述べた。松本氏は「大学の教育における役割は、学生にとっての『ピーク』を維持することであり、学生には最低限の基礎を身に付けつつも、広い視野を持った人になって欲しい」と語った。また門川市長は「現在の教育における諸問題には社会総がかりで取り組んでいく姿勢が大事。それには大学、企業の支援も必須だと思われる。教育の閉鎖的な制度から開かれた共同への取り組みを」と、繰り返し社会全体との協力についての重要性を強調した。
張氏は「人を育てる時、教育はきちんと子どもに責任を持たせたうえで、それぞれの道を選択させることが求められる」と述べた。最後に、堀場氏が総括として、「教育における検証の重要性」を改めて述べ、フォーラムは幕を閉じた。
