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2008年6月15日掲載

文学部リレー講義「日本文化の源流を求めて」第8回 中村 昌生氏

 6月4日(水)、衣笠キャンパスにて第8回となる外部講師のリレー講義「日本文化の源流を求めて」を開催した。今回は、京都工芸繊維大学名誉教授の中村昌生氏をお迎えし、「日本建築と茶の湯の思想」というテーマで、未来に建築を遺すため、伝統建築を学んでおく必要性と、日本の伝統建築の特徴である自然とのつながりや茶道の哲学を講義した。

 近年、営造された京都迎賓館は、日本の伝統的な住居である入母屋屋根と数奇屋造りの外観をもち、現代建築と伝統建築の融合した建物となっている。日本の伝統建築の特徴は「庭屋一如」であり、常に自然とつながろうとしている所に大きな特徴を持つ。

 そして、日本建築には茶の湯の思想が息づく。茶室の亭主はいわば隠遁者であり、隠遁者の住まいは簡素である。そのため、茶室にはきらびやかな装飾など必要ない。飾らず、自然体で客を敬い、簡素でも心をこめてもてなすことで、心の交流を図る。簡素を旨とするため、茶の湯の道具は自然のものを極力いかしている。また、庭の中にかくれるような茶室がよいとされ、露地と茶室で一つの茶室であり、ここにも「庭屋一如」が息づいていると中村氏は指摘する。

 茶の湯を大成した千利休の思想は、自然な所作で他人を敬うことである。「花は野にあるように、所作は自然と、目に立ち候はぬ様に」という利休の思想は、日本建築の思想であり、現代和風建築の哲学はここにあると中村氏は述べる。「自然と調和し、共生する」ことが、日本建築において忘れてはならない思想であることを述べ、中村氏は講義を締めくくった。

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