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PICK UP : 2014 年

 

2014年12月25日掲載

地球の年輪である「年縞(ねんこう)」から、7万年の地球環境を読み解く 年縞を軸とした環太平洋文明拠点シンポジウム「アジアの環境変化と人類」を開催

 12月19日(金)、衣笠キャンパスにて、年縞を軸とした環太平洋文明拠点シンポジウム「アジアの環境変化と人類」(共催:立命館グローバル・イノベーション研究機構(以下R-GIRO)、立命館大学環太平洋文明研究センター、立命館大学古気候学研究センター)を開催した。


 46億年前に誕生したといわれる地球は、人類が登場してからも寒冷期と温暖期を繰り返してきた。こうした環境変化や災害は人類の文明の興亡にも大きな影響を与えてきた。本学では、R-GIROにおいて、過去の気候変動を明らかにすることで、未来へどのような影響を及ぼすかについての研究を環太平洋文明研究センター・古気候学研究センターを中心として行っている。今回、福井県水月湖でのボーリング調査による、7万年におよぶ地球の気候変動を解明する73mの「年縞(※)」研究をはじめ、「アジアの環境変化と人類」というテーマで、考古学や文化人類学の専門家による環太平洋とその周辺地域も含めたフィールドにおける最新の知見が紹介することを目的として、本シンポジウムを開催した。総合司会を安田 喜憲・衣笠総合研究機構教授(環太平洋文明研究センター長)が務め、第一部「年縞による高精度の環境史と災害復元」、第二部「人類と環境」、第三部「パネルディスカッション―環境・災害・人類を知るための多分野共同研究 ―」の三部構成で実施され、それぞれの部で当該分野を代表する研究者による講演や若手研究者による最新の研究発表が行われた。


 シンポジウムの冒頭では、渡辺公三・立命館副総長(先端総合学術研究科教授)が開会挨拶を行い、来賓である福井県知事の西川一誠氏からは、福井県若狭町の「年縞」が世界の歴史の「標準時」となったことを挙げ、立命館大学と連携した水月湖の年縞の研究をさらに進め、福井県北部の恐竜博物館に続く、福井県の観光資源として育成していくことへの期待が述べられた。


 第一部では、まず「年縞から読み取る環境変化と災害」と題して、中川 毅・総合科学技術研究機構教授(古気候学研究センター長)による講演を実施した。中川教授は、昨今世界中の注目を集めている地球温暖化と地球の気候変動について、これまでの地球の長い歴史の中で地球の気候変動が止まったことなく、氷河期は繰り返しやってくることなどを指摘。人類が人口増加し始めた時期と地球の気候が安定して人類が農耕を始めた時期が重なることに言及。急激な気候変動が起こった場合に農耕による安定した食料供給を前提に増加した人口を維持し続けることは難しくなるという自身の見解を述べ、人類全体に対して警鐘を鳴らした。その後、若手研究発表として、「年縞から読み取る災害が文明興亡に与えた影響」と題して篠塚良嗣・R-GIRO専門研究員から、「環境変化が人口変動に与えた影響:遺跡データベースの作成から」と題して中村大・R-GIRO専門研究員から発表が行われた。


 第二部では、まず「縄文人の衣服 ― 縄文ファッションショー ―」と題して、尾関清子・東海学園女子短期大学名誉教授による講演を実施した。尾関教授は、製作技法を専門家から学び再現した、縄文人が着用していた衣服について、それぞれの衣服の特徴を再現時のエピソードを交えながら紹介した。また、衣服を紹介する際には再現した衣服を学生が着用し「縄文ファッションショー」という形式をとった。複雑な織り方や現在でも通じる紋様などが施された衣服に、参加者は驚きの声を上げていた。その後、若手研究発表として、「モンゴル牧畜社会と環境との関わり」と題して、冨田敬大・R-GIRO専門研究員による発表が行われた。


 第三部では、矢野 健一・文学部教授がコーディネーターを務め、尾関教授、渡辺副総長、高橋学・文学部教授(年縞を軸とした環太平洋文明研究拠点リーダー)がパネリストとして参加し、「環境・災害・人類を知るための多分野共同研究」と題してパネルディスカッションを実施。人間と自然の関わり方や、年縞を軸とした環太平洋文明拠点および、環太平洋文明研究センターの目指す方向性について活発な意見交換が行われた。最後に、サトウタツヤ・研究部長(R-GIRO副機構長、文学部教授)から、本シンポジウムの対象スケール・時間・空間の壮大さについて、また閉会の挨拶が述べられ、盛況の中、本シンポジウムは終了した。会場には企業関係者や学部生・院生、教員など116名の方が来場した。



※年縞とは

季節ごとに異なるものが堆積することにより形成される堆積物。明暗1対の縞が1年に相当し、その縞には過去の気候変動や事前災害の履歴を知る重要な手がかりが記録されている。年縞を解析することで、当時の自然環境(気温、水温、植生など)や自然災害(地震、津波、洪水、火山活動など)に関する精度の高いデータが得られ、国内外で研究が進められている。

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