PICK UP : 2014 年
2014 |
2014年01月20日掲載
「国際PBLによるイノベータ育成プログラム」キックオフカンファレンス「国際イノベータが結ぶ東南アジアと日本」を開催
2014年1月18日(土)、立命館大学国際平和ミュージアム「中野記念ホール」において、「国際PBLによるイノベータ育成プログラム」(平成25年度文部科学省「大学の世界展開力強化事業」)のキックオフカンファレンス「国際イノベータが結ぶ東南アジアと日本」を開催した。本プログラムは、福祉や都市計画・まちづくり等、ASEAN地域が抱える現実の政策課題・社会問題の解決に向け、本学の学生たちが、同地域の学生たちと協働することを通じて、「思考ミックスの能力」(技術思考、ビジネス思考、制度デザイン思考)等を身に着けることを目的とする、国際PBL(Problem-Based Learning)を軸とした教育プログラムである。この日は、プログラム採択を機に、前原誠司元外務大臣・衆議院議員、プラティクノ博士(インドネシア・ガジャマダ大学学長)、ニティナント・ウィサウェースアン博士(タイ・タマサート大学副学長)をゲストにお迎えし、ASEAN地域の現状、ポテンシャル、そして同地域の大学と連携した教育プログラムの意義について、意見交換を行った。
企画に先立ち、宮脇昇政策科学部教授の司会進行により、小木裕文副総長が「今次プログラムのような多文化協働で若者を育て、新しい教育研究スタイルを創りだしていきたい。そして21世紀の未来を切り拓く一翼を担えるよう努めていく」と開会の辞を述べた。
続いて、第一部は、前原元外務大臣・衆議院議員が登壇され、国土交通大臣時代と外務大臣時代のご経験をもとに、様々なデータを提示しながら「関西からみた東南アジア」というテーマで、同地域のポテンシャルと連携の意義、とりわけ関西にとっての意義についてご講演された。そして最後に同プログラムについて触れ、学生たちに対し「プログラムへの参加を通じて、我が国の中長期的な国益と、国際的な共存共栄(Win-Win)関係を考えることのできるグローバルな視野涵養を目指してください」と締め括られた。
その後、休憩時間を利用して上久保誠人政策科学部准教授の進行で行われた学生グループによる研究成果発表を経て、舞台転換後第2部のパネル討論となった。第2部は、前原元外務大臣・衆議院議員、プラティクノ博士(インドネシア・ガジャマダ大学学長)、ニティナント・ウィサウェースアン博士(タイ・タマサート大学副学長)、川口清史学長、文京洙国際関係学部長、重森臣広政策科学部長をパネリストに迎え、鐘ヶ江秀彦政策科学研究科長がファシリテーターを務める中、「国際PBLでつながる日本と東南アジア」というテーマで意見交換が行われた。冒頭、川口学長がグローバル化の進展現状について事例を提示しながら紹介。そして「多文化協働で新しい何かを一緒に創り出せる人材が必要である。そのためにはコミュニケーション能力、チーム力、問題発見・解決能力等に加え、多様な国の学生たちと共に学部の学びを深め合う経験が重要である。」と当該プログラムの意義について述べた。その後、経済発展著しいインドネシアとタイ両国の現状が紹介されるとともに、当該プログラムの概要と国際関係学部と政策科学部にとってのプログラム参加意義等について説明が行われた。そして、学年暦の不一致等、様々なカリキュラム上の課題はあるものの、今後のASEAN地域と日本との教育を通じた有機的連携に向けた当該プログラムへの期待への高さを共有し、閉会となった。
なお、当日会場には、政策科学部と国際関係学部の学生をはじめ、立ち見が発生するほどの多くの参加者が駆けつけた。約4時間にわたる企画であったが、最後まで熱心に聴講され、興味関心の高さが伺えるものとなった。
