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PICK UP : 2013 年

 

2013年09月20日掲載

関東大震災90周年国際シンポジウムを開催

 9月7日(土)、衣笠キャンパス創思館カンファレンスルームにおいて、コリア研究センターおよび独立紀念館韓国独立運動史研究所共催による関東大震災90周年国際シンポジウム「関東大震災朝鮮人虐殺から90年、国家暴力と植民地主義を超えて」を開催した。

 今回の国際シンポジウムは、関東大震災から90年が経った今年、日本と韓国の研究者が相互の研究成果を共有し、朝鮮人虐殺の記憶を風化させることなく若い世代に伝えていくことを目的としたものである。本企画は、一年前に独立紀念館韓国独立運動史研究所(以下、研究所と略称)の研究員がコリア研究センター(以下、センターと略称)を訪れ、学術協定(MOU)締結を提案したことから始まった。協定を締結し、初めての企画が本シンポジウムである。

 2013年は関東大震災から90年になる年であるが、90年が経ったにもかかわらず、未だ朝鮮人虐殺犠牲者の規模や、その責任究明・追及、遺族への謝罪や補償も明らかになっておらず、歴史教科書の叙述からも消えようとしている。このような現状を鑑み、再度当時を振り返り、なぜこのような痛ましい出来事が起こったのか、その歴史的背景や虐殺時の朝鮮人の対応などを議論する場を設けた。

 シンポジウムは、裵姈美・立命館グローバル・イノベーション研究機構ポストドクトラルフェロー(センター)「朝鮮人虐殺の前奏曲と震災後もう一つの虐殺―新潟県中津川と三重県木本の朝鮮人労働者虐殺事件」、田中正敬氏(専修大学文学部教授)「関東大震災と千葉における朝鮮人虐殺の推移」、勝村誠・立命館大学政策科学部教授(センター)「中西伊之助と関東大震災」、洪善杓氏(研究所)「関東大震災に関する欧米の韓人グループの対応」、李明花氏(研究所)「関東大震災と朝鮮の独立運動」、尹素英氏(研究所)「関東大震災と韓日葛藤解消に尽力した人々」の6本の報告と、3人の指定討論により構成された。裵氏・田中氏は朝鮮人虐殺の背景と当時の実態、その後の日本社会(在日・日本民衆/国家・地域行政)における対応、勝村氏および尹氏は震災時の朝鮮人虐殺の惨状を訴えた日本人文学者(中西伊之助・秋田雨雀)、洪氏・李氏は当時朝鮮内外にいた朝鮮人の虐殺に対する対応と虐殺が朝鮮人社会に及ぼした影響について、報告し、指定討論と一般参加者からの質問とともに議論を行った。

 関東大震災時朝鮮人虐殺に関する研究を長年行っている田中氏が指摘したように、非常に重要な課題でありながら今までの日本の研究ではみられなかった当時の朝鮮人の主体的な動きがわかる貴重な議論がなされた。韓国の研究者からは、「在日朝鮮人と日本民衆の戦後における真相究明や追悼などの運動について大いに学んだ」と評価する声があった。また、一般参加者からは、「中西伊之助や秋田雨雀のように、当時すでに虐殺の惨状を訴えようとした日本人がいたことを知ってよかった」などの感想が寄せられた。

 関西地方における日韓共同企画の本シンポジウムは、センターと研究所の共同研究として、今まで数十年間、関東で行われてきたシンポジウムの経験から学びつつ、今後の新しい研究視座を切り開く一つの土台となるものであった。

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