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PICK UP : 2013 年

2013
 

2013年08月09日掲載

岩井忠熊・立命館大学名誉教授講演 立命館土曜講座「学徒出陣—わだつみ世代の伝言 出陣学徒70年目の証言」

 8月3日(土)、衣笠キャンパス末川記念会館にて、立命館土曜講座3065回「学徒出陣-わだつみ世代の伝言 出陣学徒70年目の証言」と題して岩井忠熊・立命館大学名誉教授による講演を開催した。
 
 2013年8月の立命館土曜講座は、国際平和ミュージアムが担当した。テーマを「学徒出陣70周年・『わだつみ像』建立60周年 戦争と平和、大学そして学生」と定め、学徒出陣70周年、戦没学生記念像「わだつみ像」建立60周年にあたる2013年に、「わだつみ」世代の想いを、戦争の時代とともに生きた若者であった講師とともに考えることを目的として開催された。
 
 8月3日(土)は、自身も京都大学在学中に学徒として海軍に入隊し、特攻艇・震洋の搭乗員でもあった岩井忠熊・立命館大学名誉教授が、自身の戦時中の体験、研究者としての15年戦争下において日本のおかれた状況、そして「わだつみ」世代として、これからの日本を背負っていく若い世代への想いを語った。

 まず岩井教授は、戦後「わだつみ像」建立やその後、破壊された「わだつみ像」の再建にかけた自身の想いを語り、15年戦争の歴史と人的被害について解説。海外や日本国内でも甚大な被害をもたらしたこと、そして戦病死者のうち6割が餓死者であることなど、当時の戦争がもたらす悲惨な状況について語った。

 岩井教授は、15年戦争の性格を「日本本土を攻めて来た国は一カ国もなかった。一貫した侵略性が特徴である」と解説。絶対国防圏防衛のため、国民あげて総動員されていくなかで、戦争が拡大していった状況、外交上、戦略上も当時の軍部の見通しの甘さが悲惨な戦争を招いた点にも言及した。現状を的確にとらえた情報を入手できていたにも関わらず、それを活かすことができなかった軍部の組織としての欠点についても指摘。また、特殊な技能を持った人材が戦死していく中で、高等教育を受けた学徒の動員に踏み切らざるを得なかった程、窮地に追い込まれていった当時の戦況についても語った。敗戦が必至の戦局のなかで、多くの若人が学業半ばで戦地に赴き、学徒兵の総数は10万人以上と推定され、特攻の戦死者も多かった。
 
 また、岩井教授は自身が学徒として入隊した海軍時代についてのエピソードについても語った。1945年3月19日、第39震洋特攻隊として海軍徴用船「道了丸」で佐世保から石垣島に向かう途中、22日米国の潜水艦による魚雷攻撃を受け遭難。船が沈む中、3時間以上泳ぎ続けた末に救出され、佐世保に帰港。九死に一生を得た経験等を語った。
 質疑応答では、予定を超過するほどの多数の質問がなされた。最後に法学部の学生から若い世代へのメッセージを問われ、岩井教授は「私自身も戦争を横からただ眺めているだけの普通の学生だった。時勢は流動的で、いつも歴史は動いている。そういうものに常に敏感になって、特に戦争に関しては若い人も反対の意志をはっきりと表明してほしい。私は若い人たちに対して希望を持ち続けている」と、若い世代への想いを語った。実体験に基づいた岩井教授の講演は、90歳とは思えないほど力強いもので、来聴者に大きな感動を与えた。
 なお、当日は265名という立命館土曜講座史上最高の参加者が集まり、盛況のうちに講座は終了した。

■次回「立命館土曜講座」はこちら
8/31(土)3066回 芝田徳造氏「軍国少年の足跡―特攻隊を振り返って」
14:00~16:00 末川記念会館講義室
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/kikou/2013/20130831.html

国際平和ミュージアムの活動はこちら

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