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2012 |
2012年10月30日掲載
第22回京都教育懇話会「日本の教育にギャップイヤーを!!-問われる高校・大学生の社会体験―」を開催
10月23日(火)、朱雀キャンパスにて第22回京都教育懇話会「日本の教育にギャップイヤーを!!-問われる高校・大学生の社会体験―」を開催した。
第一部の基調講演では、講師に一般社団法人日本ギャップイヤー推進機構協会(JGAP)代表理事の砂田薫氏を迎え、続く第二部のパネル討議では、龍谷大学短期大学部社会福祉学科教授の阪口春彦氏、独立行政法人国際協力機構関西国際センター(JICA関西) 業務第二課長の渡辺雅夫氏、コーディネーターとして学校法人立命館常務理事 一貫教育担当川﨑昭治氏を交え、基調講演の内容をさらに深める討議が展開された。
基調講演で砂田氏は、「日本でギャップイヤーをもっと導入すべきだ」と海外での例を挙げながら提言された。「イギリスやアメリカでは、すでに多くの若者がギャップイヤーを利用して様々な経験を積み、帰ってきてからも学習のモチベーションを維持している。日本の学生も学校で正課を学ぶだけでなく、日常から離れ社会体験や就労体験をする必要がある。ギャップイヤーの導入を、官・産・学・民で支えていくべきだ」と述べた。また、「学校社会で認められる“能力”と、グローバル社会で求められるものの間に大きなギャップがある。大学の学びだけでは社会で通用しない」と、日本の社会と教育のギャップに危機感を示した。
パネルディスカッションでは、パネリストのそれぞれの体験を元に、説得力のある提言がなされた。渡辺氏は「教育で一番大切なことは生きる力を身に付けること。外に出てみないとわからないことがあり、自主的に学ばなければ生きる力は養えない」と自主的な学びの必要性を述べた。また、阪口氏は、龍谷大学短期大学部で2011年度導入されたギャップイヤーの概要を説明しながら、「最近は安定志向の学生が多いが、自発的にギャップイヤーを経験したいという学生を増やしたい」と日本でのギャップイヤー浸透に期待を寄せた。コーディネーターの川﨑氏は、「海外で異文化を学ぶことによって、その経験を社会に還元すれば新たな市場が生まれる。そういう若者が増えていってほしい」と語った。
また、会場からは、「イギリスではギャップイヤーが普通のこととして捉えられているが、日本人はギャップイヤーという名前すら知らない」「まずはギャップイヤーに理解のある学生から進めていくのはどうか」「社会体験の重要性を社会へ教育することも重要」などの意見が挙がり、パネリストと参加者との間にも活発な討議が行われた。
