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HEADLINE NEWS:2014年

民秋 均・薬学部 教授が「平成25年度日本化学会学術賞」を受賞

このたび、民秋均薬学部教授が日本化学会第94春季年会会期中の3月28日(金)に名古屋大学東山キャンパスにて平成25年度日本化学会学術賞を受賞した。学術賞は、化学の基礎または応用のそれぞれの分野において先導的・開拓的な研究業績をあげた者で、論文の数というよりは、論文は少数でも優れた業績をあげた者に授与される名誉ある賞である。
受賞対象となった研究は、「クロロフィルの構造と機能に関する研究」で、以下に概要を記す。

【受賞の対象となった研究の概要】
クロロフィル(葉緑素・Chl)は、生物が進化の過程で獲得した、光エネルギーを効率よく捕える色素分子で、光合成で重要な役割を担っている。光合成研究においてChlの構造と機能の研究は必須であったにもかかわらず、不安定なため、長年分析化学的な研究にとどまっていた。民秋教授は安定に取り扱う方法を見出し、全ての天然Chlを単離精製して構造と機能を明らかにした。
光合成でChl分子が関与するのは、初期過程における光を集めてエネルギーを伝達するアンテナ部と電荷分離(電子移動)を行う反応中心部の二つの器官においてである。アンテナ部について単純な合成ポルフィリン分子を用いてモデル系を構築する研究も行われているが、民秋教授は、Chlが異方性の高い分子であることに注目し、光合成における励起エネルギー・電子移動を理解するにはChlを利用したモデル系が重要であると考えて研究を進めた。そしてChlを利用した人工光合成アンテナ系の創製や色素増感や薄膜型太陽電池の創出に成功した。
Chl分子の生合成と分解系に関しても、分子生物学・酵素化学的手法を駆使して研究を進め、これまで幻と思われていた細菌型のChlであるバクテリオクロロフィルfを世界にさきがけて生合成することに成功するなど、大きな成果をあげた。Chl分解系において、緑色植物で提唱されていた光毒性解消経路以外に、微細藻類などの水圏生物ではより簡単な無毒化経路が存在することも明らかにした。

【主な論文】
N. Muraki, J. Nomata, K. Ebata, T. Mizoguchi, T. Shiba, H. Tamiaki, G. Kurisu, Y. Fujita, "X-ray crystal structure of the light-independent protochlorophyllide reductase," Nature, 465, 110–114 (2010).[立命館初のネイチャー論文]

S. Shoji, T. Hashishin, H. Tamiaki, "Construction of chlorosomal rod self-aggregates in the solid state on any substrates from synthetic chlorophyll derivatives possessing an oligomethylene chain at the 17-propionate residue," Chem. Eur. J., 18, 13331–13341 (2012).[掲載号の裏表紙に選出]

Y. Kashiyama, A. Yokoyama, Y. Kinoshita, S. Shoji, H. Miyashita, T. Shiratori, H. Suga, K. Ishikawa, I. Inouye, K. Ishida, D. Fujinuma, K. Aoki, M. Kobayashi, S. Nomoto, T. Mizoguchi, H. Tamiaki, "Ubiquity and Quantitative Significance of Chlorophyll Detoxification Catabolism Associated with Protistan Herbivory in Aqueous Ecosystems," Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 109, 17328–17335 (2012).[掲載号のFeature Articleと表紙に選出]
J. Harada, T. Mizoguchi, Y. Tsukatani, M. Noguchi, H. Tamiaki, "A seventh bacterial chlorophyll driving a large light-harvesting antenna," Sci. Rep., 2, 671; doi:10.1038/srep00671 (2012).[2012年9月の注目論文に選出]

J. Harada, T. Mizoguchi, S. Satoh, Y. Tsukatani, M. Yokono, M. Noguchi, A. Tanaka, H. Tamiaki, "Specific gene bciD for C7-methyl oxidation in bacteriochlorophyll e biosynthesis of brown-colored green sulfur bacteria," PLoS ONE, 8(4), e60026; doi:10.1371/journal.pone.0060026 (2013).

【受賞歴】
光化学協会賞 2006
野津記念奨励賞 1986

日本化学会学術賞(外部リンク:日本化学会ホームページ)

立命館大学大学院生命科学研究科(薬学部薬学科) 生物有機化学研究室(民秋研究室)

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