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HEADLINE NEWS:2014年

総合科学技術研究機構 青柳克信・上席研究員の研究グループが新縦型深紫外LED「Ref-V DUV LED」の開発に成功~従来の深紫外LEDに比べ1/5以下の低コストでの製造を可能に~

 総合科学技術研究機構の黒瀬範子・研究員と青柳克信・上席研究員は、従来の深紫外LEDに比べ1/5以下の低コストでの製造を可能にする新縦型深紫外LED「Ref-V DUV LED」の開発に世界で初めて成功しました。

 深紫外光は、浄水場の水や病院・工場のクリーンルームの空気の殺菌、ホルムアルデヒドなど難分解物質の処理や、化学物質の計測などに幅広く利用されています。これまで、深紫外波長領域の光源として、世界の9割以上のシェアで水銀ランプが使われていました。しかし、水銀の使用は2013年10月10日に国連の水銀条約(水俣条約)締結によって大幅な使用規制が定められ、現在、代替え光源の開発が緊急課題となっています。代替として、電流注入型深紫外半導体発光素子(深紫外LED)が最も有力な候補ですが、原料や製造コストが高く普及が進んでいないのが現状です。
 今回、開発に成功した新しい縦型深紫外LEDは、構造の内、絶縁体であるAIN(窒化アルミニウム)層を工夫し、導電化させることで、従来は縦型深紫外LEDの製造過程で剥離を行う必要があった、基盤からAIN層を剥離するプロセスを無くしたものです。具体的には、直径1~2μmのビアホールという穴を縦型深紫外LEDの結晶成長の際にAIN層に作成することで、ビアホールが電流を流す媒介となり、AIN層全体として導電性を持つというものです。これにより、生産のプロセスコストを1/5以下にすることが可能となりました。なお、AIN層を剥離する際に生じていたLEDの損傷も防ぐことができ、発光効率も従来の縦型LEDに比べて向上します。
 今後研究の実用化が進めば、ビアホールを選択形成させることにより、絶縁体のなかに導電体部分を部分的に結晶成長させ、安価なデバイスを作成することも可能であり、深紫外LEDの大量生産につなげられると考えています。

 本研究の成果は、米国の物理学会誌AIP ADVANCES (2014 vol. 4) の電子版に2月25日に掲載されました。また、3月19日に行われる第61回応用物理学会春季学術講演会でも発表する予定です。

■本件に関する問い合わせ先
 立命館大学リサーチオフィスBKC
 TEL:077-561-2802
 立命館大学広報課
 TEL:075-813-8300

 

新縦型深紫外LEDの電極の発光の様子

 

新縦型深紫外LEDの電極

■研究内容の詳細はこちら

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